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【科警研】科学警察研究所とは?科捜研との違いや関係性を解説

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科警研と科捜研の違い 採用試験対策

こんにちは、元科捜研職員のflusです。
みなさん、科警研って知ってますか?科捜研とは名前が似ていますが、異なる組織です。
今回は、科警研こと科学警察研究所科捜研違いや関係性を業務内容、採用区分などの面から紹介していきます。

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科学警察研究所とは?

科学警察研究所とは、警察庁附属の研究機関という位置付けで、千葉県の柏市にある国立の研究所です。
一方、科学捜査研究所は各都道府県の警察ごとに設置されている組織で、科警研職員が国家公務員(警察庁技官)であるのに対し科捜研職員は地方公務員です。

科警研は以下の組織から構成されています。

  • 法科学第一部(生物系の各研究室)
  • 法科学第二部(工学系の各研究室)
  • 法科学第三部(化学系の各研究室)
  • 法科学第四部(ポリグラフ・筆跡・音声の各研究室)
  • 犯罪行動科学部(犯罪プロファイリング関係の各研究室)
  • 交通科学部(交通事故解析や交通心理などに関する各研究室)
  • 付属鑑定所(鑑定業務)
  • 法科学研修所(鑑定技術を習得するための研修所)

法化学第一部から第四部と交通科学部の一部は、各都道府県の科捜研にも該当する科が設置されています。
それ以外にも犯罪行動科学部や法化学研修所など、科捜研にはない業務を担当していることがわかります。

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科警研と科捜研の違い

科捜研科警研
主な業務鑑定・研究鑑定・研究・研修
採用区分各都道府県警察ごとの採用国家総合職

上の表は、科警研と科捜研の違いをまとめたものです。

以下では、表の内容を詳しく解説していきます。

業務内容

科捜研の業務内容は以下の記事内の「主な業務」にあるように、鑑定と研究です。

科捜研が行う鑑定は、主に犯罪に関与した物体や人体組織などを分析し、それらの成分や個人などを特定することがメインです。

科捜研が行う研究は、主に鑑定技術向上のための研究で、日々の鑑定で困難だったことを技術的に可能にするための応用研究などを行います。

一方で、科警研の業務内容は、鑑定、研究、研修の3本立てです。

科警研で行う鑑定の内容は科捜研とほぼ同じですが、科捜研では技術的、設備的に困難なものをメインに扱います。

科警研で行う研究は、全国の科捜研を巻き込んだ大規模な研究や、より基礎的な内容であることが多いです。
科警研の研究者は各自が研究テーマを持っていて、それぞれ科研費を獲得したり、大学や企業などと共同でテーマを持つなど、科捜研職員よりも研究に積極的である場合が多いと思います。

研修とは、主に科捜研職員が鑑定技術を習得するために開催されるものです。
科捜研職員は科警研に併設された法科学研修所という研修施設に出向き研修を受けるのですが、そこの講師をやっているのが科警研の職員です。科警研は『科捜研の先生』の役割も担っています。

採用区分

科警研は国家公務員、科捜研は地方公務員(都道府県職員)です。
そのため、採用試験が異なります。

それぞれの採用フローをまとめると以下のようになります。

科捜研の採用フロー

  1. 各都道府県が行う採用試験に合格、採用

科警研の採用フロー

  1. 国家総合職試験に指定区分で合格
  2. 官庁訪問で複数回の面接を経て採用

科警研に入るには、まず募集している研究室に該当する区分(法科学第二部内の研究室であれば工学区分、法科学第三部内の研究室であれば化学区分など)の国家総合職試験に合格する必要があります。
国家総合職の試験に合格後、官庁訪問で科警研の研究室を訪問し複数回の面接を経ることで採用されます。

科警研も科捜研と同じく、各研究室で毎年募集があるわけではないのに加え、募集人数が1人である場合が多いです。
国家総合職の難易度を加味すると、とても難しい試験だと言えるでしょう。

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科捜研と科警研の関係

上述したように、科捜研で技術的・設備的に困難な鑑定は科警研が担当します。
また、科捜研職員と科警研職員が共同研究を行うことは多く、現場を知る科捜研と学術寄りの科警研とでそれぞれ相互に補完し合う関係であると個人的に思っています。

さらに科捜研の職員が科警研に出向したり、科警研職員が一部の県の科捜研所長として出向するケースもあります。

科捜研と科警研はお互い常に情報をやりとりし合っていて、切っても切れない関係を築いていると言えるでしょう。

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どっちに入るべきか

研究をメインにやっていきたい人は科警研に入るのが良いでしょう。
科警研のメインの業務は研究です。科捜研よりも資金は潤沢で、他研究機関との繋がりも多くあります。
また、研修を通して全国の科捜研職員と交流できることも魅力の一つだと思います。

鑑定など現場に近い部分をメインにやっていきたい人は科捜研に入るのが良いでしょう。
科捜研は、小さいものから大きいものまで非常に多くの事件・事故を扱います。
そのため、科捜研職員は科警研職員よりも多くの鑑定経験を積んでいるケースが多いです。
また、科捜研職員でも日々の鑑定をこなしながら科研費をとって研究したり、在籍しながら博士号をとる人もいるので、科捜研の研究が劣っているということは決してありません。

科警研と科捜研の試験日程が被ることはほぼないので、対策する時間が十分にある人は両方受験するのもアリだと思います。

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