こんにちは、元科捜研職員のflusです。
今回は、皆さんも気になる科捜研職員の給与や私が在籍していた頃の初任給などについて紹介します。
初任給と一年目のボーナスの目安額についてとにかく知りたいという方は、記事の後半から読んでいただければと思います。
公務員の給与の仕組み
そもそも、給与と給料の違いを知っていますか?これらは明確に区別されているんです。
簡単に説明すると
- 給与とは、給料から手当や控除などを差し引いた後の手取りのこと
- 給料とは、職種・在籍年数・役職などに応じて貰える一定額のこと
となります。すなわち、給与は以下のような内訳になっています。
給与 = 給料 + 各種手当 ー 保険料などの控除
以下、それぞれの内訳を詳しく見ていきましょう。
給料
給料とは、毎月もらえる一定額のことで、その額は各都道府県の俸給表(給料表のこと)によって決定されます。
市役所や県庁などに勤める一般事務職員は行政職の俸給表、学校の先生は教育職の俸給表、警察官は公安職の俸給表などといったように、職種によって異なる俸給表が適用され、職種による給料の違いがここで発生します。
科捜研職員はほとんどの都道府県で研究職の俸給表が適用されていて、行政職などに比べて給料の水準は高いです。
地方公務員の俸給表については、総務省のページがわかりやすいと思います。
俸給表は横軸が級、縦軸が号級となっていて、
- 毎年定期的に号級が上がる(定期昇給)
- 昇任によって級が上がる(昇格)
というように年齢や役職などにより給料が上昇(俸給表が右下に推移)していきます。
また、社会人経験者や院卒は学部卒よりも高い号級からスタートするので、初任給に差がでます。
各種手当
各種手当とは給料以外の所得で、例えば以下のような手当があります。
- 地域手当
- 超過勤務手当(残業代)
- 通勤手当
- 住宅手当
- 扶養手当
- 特殊勤務手当
- 宿日直手当
- 期末・勤勉手当(ボーナス) など
地域手当とは、勤務地の物価などを考慮して設定された手当です。
都会ほど支給される割合が多く、例えば警視庁では給料の20%、千葉は9%が加算されます。
公務員の平均年収ランキングなどで、地方よりも都市部にある自治体が上位にランクインするのは、地域手当の支給割合の違いが大きいと思います。
これは科捜研においても同様に当てはまり、都市部の方が地域手当が手厚い分、給料は高くなる傾向にあります。
また、募集要項に掲載されている給与月額の値は、給料に地域手当を含んだものである場合がほとんどです。
超過勤務手当は、残業代のことで、残業1時間あたり、給料を時間換算した分の1.25倍(休日出勤は1.35倍)が支払われます。
住宅手当は、国家公務員の手当に準じているところが多く、大体の都道府県で上限が27,000円に設定されています。
特殊勤務手当は、鑑定などの特別な知識や技能を用いる業務に対して支払われる手当です。
期末・勤勉手当とはいわゆるボーナスのことで、年に2回(6月と12月)支給されます。
ボーナスの額は都道府県ごとに異なりますが、大体給料の4〜4.5ヶ月分です。ちなみに、ボーナスにも地域手当が加算されますし、保険料などの控除分が差し引かれます。
これら手当の名称や額は都道府県ごとに異なっていて、雪が降る地域では寒冷地手当などが設けられていたりします。
手当に関する詳細は別の記事で改めて紹介します。
控除
控除とは、税金や社会保険料などといった給料から差し引かれる分です。
これらから科捜研職員やその他公務員の年収(手当なども含めた年間の所得)が以下のように計算できます。
年収 = 地域手当を含んだ給料 × 16〜16.5
+ 地域手当以外の各種手当 × 12
公務員を目指す方は自分がいくらもらえるのか予め計算しておくと良いと思います。
科捜研の初任給&一年目のボーナス
ここからは、院卒で科捜研に入った私の初任給と1年目のボーナスを紹介します。
初任給
初めてもらった給与の内訳は
- 給料 約23万円(地域手当含む)
- 通勤手当 約3万円(半年分をまとめて支給)
- 住居手当 27,000円
- 控除 約4万円
で、給料(手取り)は25万弱でした。
ボーナス
私がもらった1年目のボーナスの手取りは
- 6月 約10万円
- 12月 約40万円
でした。
6月のボーナスは4月に採用されてからの期間分ということで少なめです。12月のボーナスからは満額もらえます。
大手民間に行った同期と比較して給料自体は遜色ない水準でしたが、残業が少なかったため年収は民間に行った同期より低かったです。
正直1〜2年目は生活がとても苦しく、貯金はほとんどできませんでしたが、それ以降は徐々に安定した生活を送れるようになっていきました。
それでも科捜研は、毎年ほぼ自動的に年収が上がることや異動がないことといった安定感は民間にはない魅力だと思います。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
科捜研職員の出身大学・学部などに関する記事はこちらをどうぞ。
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