こんにちは、元科捜研職員のflusです。
私が科捜研の採用試験関連でよく聞かれることに、
- 難関大学でないと科捜研に入れないのか
- どの学部・学科に行くべきか
- 学部卒でも大丈夫か
といった類の質問がよくあります。
私も科捜研を受験する際、とても不安になりました。
そこで今回は、私の周りにいた科捜研職員(職場・他県の同期)の出身大学とそれぞれの科ごとの主な出身学部・学科を紹介します。さらに、科捜研に入るには学部卒と院卒どちらが有利かを考えていきたいと思います。
科捜研職員の出身大学・学部・学科のデータを公表している都道府県はありません。
科捜研への就職を目指している大学生はもちろん、これから大学進学を目指す高校生が進路を決めるための参考になると思います。
科捜研職員の出身大学
はじめに、科捜研職員の出身大学を見ていきましょう。
以下の表は、私の周りにいた科捜研職員の出身大学とおおまかな構成比を示したものです(あくまで体感)。
旧帝国大(東大・京大は少数)・東工大 | 2割 |
難関国公立大学(神戸・筑波・千葉など) | 2割 |
難関私立大学(早慶・理科大・MARCH) | 2割 |
中堅・地元国公立大学 | 2〜3割 |
地元私立大学・私立単科大学など | 1〜2割 |
表を見ると、主に以下のことがわかります。
- 難関大学以上出身者が高い割合を占める
- 私立大学よりも国公立大学出身者の割合が高い
科捜研の採用試験は100倍を超える高倍率になることもあり、多くのライバルの中から筆記試験を突破する必要があります。
難関大学以上出身者が多い要因は、高学歴の人の方が筆記試験で高得点を取る傾向にあり、最初の関門である筆記試験を突破しやすいためであると言えます。
私立大学よりも国公立大学出身者の割合が高い要因として、国公立大学のほうが私立大学よりも入試科目が多く、大学受験で身につけた知識の幅が広いおかげで公務員試験(特に教養試験)の対策を比較的楽に進めることができるためだと考えられます。
ちなみに、表にある旧帝国大の中でも東大・京大出身は珍しく、難関私立大学の中では理科大出身者が多くいる印象でした。
東大・京大出身で同分野への就職を考えている人は、科捜研よりも科警研を目指す傾向にあると思います。
学歴と採用試験の関係
続いて、学歴や出身大学が採用に影響するかを筆記・面接の各試験ごとに考えていきたいと思います。
筆記試験
筆記試験の合否は試験の結果のみで判断されるので、学歴・出身大学が影響することはありません。
面接試験
筆記試験を突破した後の面接試験は、一般に「偏差値の高い大学出身の人の方が優秀だし真面目」という印象から、高学歴が多少有利に働くことはあるかもしれません(多分ほぼない)。
しかし、私が以前在籍していた県でも、偏差値50以下の地元私立大学出身の人が数人いたことから、高学歴でないと面接を突破できないという訳でもなさそうです。
筆記試験を突破したということは学力面の担保はできているため、その後の面接試験は学歴関係なく面接官に好印象を与えることができれば誰にでもチャンスはあると思います。
科捜研各科の出身学部・学科
次に、科捜研職員はどのような学部・学科を出ているのか見ていきます。
私の周りにいた科捜研職員の出身学部・学科を、科捜研のそれぞれの科ごとにまとめると以下のようになります。
法医科
- 理学部生物学科・化学科
- 工学部生物系学科
- 薬学部
- 医学部臨床検査技師系学科
- 獣医学部
- 農学部 など
化学科
- 理学部化学科
- 工学部化学系学科
- 薬学部
- 農学部 など
物理科
- 理学部物理学科
- 工学部機械系学科・電気系学科・情報系学科
- 工学部化学系学科 など
文書・心理科
- 文学部
- 心理系学科
- 工学部情報系・光学系・化学系 など
法医・化学・物理科は理系しかいなく、文書・心理科は文系出身者がほとんどです。
また、文書関係の科に工学部出身の人が一部います。これは、業務で画像や光関係を扱うことがあり、工学部でそれらを専攻していた人が文書鑑定科に応募することがあるためのようです。
以上は私が把握している範囲の話であり、上に挙げた学部・学科以外にも様々な学部・学科から来ていると考えられます。
また、私もそうでしたが大学で業務に関係する内容を学んでいる必要はなく、入所してから研修や実務を通じて業務に関する知識や技術を身につけていけるので、学部・学科が多少ズレていそうでもとりあえず応募してみることをオススメします。
学部卒は院卒よりも不利か
科捜研での採用試験において、学部卒は院卒よりも不利になってしまうのでしょうか。
結論から言うと、学部卒も院卒も関係ありません。
人事のことなので不確かな情報になってしまいますが、修士卒以上を募集している一部の県以外は学部卒でも院卒でも等しく選考が行われます。
実際、私が以前在籍していた県でも、学部卒の人は比較的多くいました。
また、修士1年の時に行きたい県で募集があったため受験したところ、見事合格したので大学院を中退した人もいました。
むしろ学部卒の方が有利な点もあります。
あくまで私が在籍していた県の傾向ですが、科捜研はまだまだ年功序列が色濃く残る組織だったので、学部卒の方が組織に長く在籍できる分、出世に関しては有利に働いていたように思います。
終わりに
いかがでしたか。
何はともあれ、まずは筆記試験を突破できなければ先には進めません。
受験生のみなさん、応援しています。
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