こんにちは、元科捜研職員のflusです。
科捜研を目指している皆さんは、採用説明会に参加していますか?
参加していると言う方も、ただ説明を聞いて終わりにしていませんか?
科捜研は都道府県、さらには科ごとに業務内容や業務量などが大きく異なります。装置の都合上、一部の都道府県でしかできない鑑定があったり、研究に積極的なところ、鑑定の比重が大きいところなど様々です。
「大規模県だから最先端の研究をしている」とか「大規模県は事件が多いから忙しい」などと思うかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
せっかく科捜研職員になれたのに「思っていたのとは違う」なんてことにならないように、少しでもミスマッチを減らすためにも説明会には必ず参加しましょう。
私も科捜研に入る前、ある県の工学系の業務説明会に参加しましたが
- 研究よりも鑑定を重視していること
- 頻繁に現場に出る都合上、体力があった方が良いこと
などを知ることができ、業務内容の理解に繋がっただけでなく、その後の採用面接に自信を持って挑むことができました。
この記事では、説明会で確認しておくべきポイントを挙げるとともに、私が考えた質問のテンプレートを紹介します。
業務説明会で確認しておくべきこと
元科捜研職員の私が思う、科捜研の業務説明会で確認すべきことは
- 詳しい業務内容
- 忙しさはどの程度か
- 研究にどの程度力を入れているか
の3つです。
なぜこれらを確認した方が良いのか、以下で詳しくみていきます。
詳しい業務内容
業務内容を確認する意図は、ドラマなどのイメージのまま入所しないようにするため(入所後のミスマッチを防ぐため)です。
例えば化学系の科の中でも薬物を扱う科ではなく、工業製品等を扱う科に応募したのに、採用面接で「薬物の鑑定に興味がある」と言ってしまえば、業務内容を理解していないと思われてしまい高評価を得ることは難しくなるでしょう。
これについては説明会で担当者が説明してくれると思いますので、よく聞いておいてください。
万が一、扱っている業務(化学だったら鑑定する物質、物理だったら火災・画像・交通・銃器のうちどれを担当するのかなど)についての詳しい説明がなかった場合は、質問して確認するべきだと思います。
忙しさ
忙しいのが良い人もいれば、なるべく忙しくない方が良いという人もいます。
募集している科に採用された際、自分にあった働き方ができるのか確認しておくべきです。
研究にどの程度力を入れているのか
研究への力の入れ具合は都道府県、さらには科によって様々です。
大規模県だからといって研究を積極的にやっているとは限らず、小さな県でもバリバリ研究している県はあります。
自分が鑑定に興味があるのか、研究に興味があるのか、ある程度スタンスを固めて自分にあった働き方ができる県(科)を選びましょう。
*科捜研は科学捜査研究所という名称から、研究所としての性格が濃いと思う方が多いと思います。しかし科捜研のメインの業務は鑑定で、あくまで研究は鑑定技術を向上させるためのものであることを知っておきましょう。
『鑑定第一で研究は二の次』という考えの科に応募したときに、採用面接で「鑑定ではなく研究メインでやっていきたい」などと言ってしまうと、業務内容が理解できていないと思われてしまいます。
質問テンプレート
説明会で確認すべきことを紹介されても、説明会でどのように質問して確認すれば良いのか分からないという方も多いと思います。
そこで今回、質問のテンプレートを考えたので紹介します。
以下で挙げる質問例を参考にしながら積極的に質問してみてください。
忙しさを確認するための質問例
- 年間の鑑定件数はどのくらいですか
- 鑑定に従事している人数を教えてください
これらの質問をすることで
- 週・月ごとの鑑定件数
- 一人当たりの年間(月間・週間)鑑定件数
などが算出できます。
例① 科員10人・年間鑑定件数8000件の場合
- 概算で週40件・月160件
- 各鑑定を一人ずつやる場合、週40件
となり、一つの鑑定に要する時間次第ですが、そこそこの業務量であることが予想されます。
例② 科員4人・年間鑑定件数100件の場合
- 概算で週2件、月8件
- 各鑑定を2人ずつやる場合、週平均1件
となり、あまり忙しくないことが予想されます。
研究への力の入れ具合を確認するための質問例
- 研究発表する機会は年間何回ほどありますか
- 科研費を獲得している研究などがあれば(職員がいれば)教えてください
これらの質問をした際に
- 回答をうやむやにされる
- 年に一回(法科学技術学会や内部での発表)程度の機会
- 研究できなくはない(研究するための制度はある)などの回答
- 5年以上前の論文を紹介される
などの場合は、あまり研究に積極的ではない可能性が高いでしょう。
ただ間違ってほしくないことは、研究に積極的だから良いとか悪いとかではありません。日々の鑑定が多く研究する時間がないところや、研究に結び付きにくい鑑定をしているところもあります。
研究をバリバリやって発表していきたいという人は、ミスマッチを防ぐためにもこれらの質問をしてみると良いでしょう。
いかがでしたか?
業務説明会に参加すると
- 業務内容の理解につながる
- ミスマッチを防ぐことができる
などのメリットがあるだけでなく、その後の採用面接に自信を持って挑むことができます。ぜひ参加しましょう。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
私が就活時に科捜研の面接を受けた際にされた質問などをこちらの記事で紹介しています。ぜひご覧ください。